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VeriStandのカスタムデバイス用プロジェクトテンプレートを準備する

更新しました Jun 28, 2024

環境

ソフトウェア

  • VeriStand
  • VeriStand Custom Devices
  • LabVIEW

VeriStand は、DAQをはじめとした多くのハードウェアの操作やモデルのインポートを行うといった、リアルタイムテストのアプリケーションを作成するための多くの機能を備えており、ハードウェアインザループ(Hardware-in-the-loop, HIL)システムを構成するのに活用できるソフトウェアです。

一方で、組込の機能を使用するだけでは実現できないような複雑な処理であったり特殊な通信方法を実装する場合には、専用の機能をカスタムデバイスという形で作成、実装できるオープンな環境でもあります。

カスタムデバイスはLabVIEWを開発環境としてプロジェクトテンプレートから作成することができ、このテンプレートをベースにいくつかの種類のアーキテクチャから選択して開発していきます。
この記事では、VeriStand用カスタムデバイス作成のために必要なソフトウェアの用意の方法とカスタムデバイスプロジェクトの概要を説明します。

注意:
VeriStand 2020 R6以前のバージョンではLabVIEW 32 bit版を使用してカスタムデバイスを作成します。
しかしVeriStand 2021以降、カスタムデバイス作成にはLabVIEW 64 bit版を使用する 必要があります。

また、VeriStandのバージョンとLabVIEWのバージョンは同じである必要があります。例えば、VeriStand 2021で使用するカスタムデバイスはLabVIEW 2021で作成します。

この記事では、VeriStand 2024のバージョンを使用しているためLabVIEW 2024で開発していますが、他のバージョンであっても基本的には同じ操作になります。
 

必要なソフトウェアの準備


カスタムデバイスを作成するには、プロジェクトテンプレートから始めるのが便利です。
これには必要なソフトウェア要素がいくつかあり、それらがインストールされていない場合、LabVIEW上でプロジェクトを作成しようとしても、選択肢には出てこない状態となります(下図参照)。

2024-06-21_11h55_34.png

このプロジェクトテンプレートは、GitHubのNI VeriStand Custom Device Wizardから入手することができます。

  1. GitHubのページ からNI VeriStand Custom Device Wizardを入手するために、下図の赤枠で囲ったReleasesの項目を選択します。
    selectrelease.png
  2. ページ下部にあるAssetsの項目から、使用するLabVIEWのバージョンと一致するパッケージを選択します。例えば、VeriStand 2024のバージョン用にカスタムデバイスを作るためLabVIEW 2024を使用している場合には、ni-custom-device-wizard-labview-2024-support_24.0.0.1_windows_x64.nipkgなどと表示された項目を選択します。
    注意:
    VeriStand Version Supportの項目に書かれている、互換性のあるVeriStandのバージョンを確認したうえでパッケージをインストールしてください。最新のVeriStand以外を使用していて、使用しようとしているVeriStandがVeriStand Version Supportに記載されていない場合には、異なるリリースバージョンを選択してください。
    2024-06-27_16h10_47.png
  3. パッケージをインストール中にもし以下のような画面が出た場合には、必要な要素が足りないことを意味します。この場合、一度パッケージのインストールをキャンセルします。
    missingcomponent.png
  4. PrerequisitesにあるリンクからDevelopment Toolsのページに進みます。
    prerequisites.png
  5. ページ下部で以下のAssetsをそれぞれ選びパッケージのインストールを進めます。
    ni-custom-device-development-tools-<version>-support
    ni-labview-memory-management-tools-labview-<version>-support
    ni-veristand-<version>-custom-device-labview-support-common

    assetsinstall.png
    もし必要なパッケージが既にインストールされている場合には以下のような表示になります。alreadyinstalled.png
  6. 必要なパッケージが入った状態で2.でダウンロードしたパッケージをあらためてインストールします。インストールが完了したら、LabVIEWを開いてプロジェクト作成の画面で以下のようにCONSOLIDATED NI VeriStand Custom Deviceの項目が表示されることを確認してください。
    installcomplete.png

ビルドができるかの確認

 

  1. LabVIEWを開いて新規のプロジェクトを作成します。新規プロジェクトの一覧にあるCONSOLIDATED NI VeriStand Custom Deviceを選択します。
  2. Create Projectのウィンドウでカスタムデバイスの名前と保存先を決定します。以下では保存先のフォルダ名とカスタムデバイスの名前は一致させています(MyDemoCustomDevice)。ここでは、Custom Device Execution ModeはAsynchronousとし、Custom Device Extra Page Namesは空白の状態で、Display in a submenuにチェックを入れた状態としてParent Menu NameにMyDemoと指定しています。構成が終わったらFinishを選択するとプロジェクトが自動的に生成されます。
    createproject2.png
  3. まずはこのままの状態でビルドができるかを確認します。My Computer下のビルド仕様を右クリックしてBuild Allですべてビルドします。問題が無ければビルドが完了します。
    buildall.png
    注意:
    GitHubのページから入手できる、LabVIEWプロジェクトテンプレートのバージョンによっては、この資料のままの手順でビルドした際にエラーが起こる場合があります。例えば、古いバージョンでは、カスタムデバイスをVeriStandのシステムエクスプローラ上で選択した際に表示するヘルプの記述を保存したファイルがない状態でビルドを行った場合にビルドエラーが発生します。この場合には、ビルドエラーの詳細に表示される情報に従って、ヘルプファイル(.chm)を用意するなどの対応を取る必要があります。
  4. VeriStandを開いて、システムエクスプローラからCustom Devicesを選択します。プロジェクト作成時のAdvanced OptionsDisplay in a submenyにチェックを入れた状態としParent Menu Itemを指定していた場合、その項目の下に先ほどビルドしたカスタムデバイスが表示されます。
    selectcustomdevice.png
  5. 作成したカスタムデバイスを選んで以下の図のように表示されればカスタムデバイスが正しくビルドされVeriStand上で使用できるようになっていることが確認できます。
    注意:
    プロジェクトテンプレートをそのままビルドしただけのカスタムデバイスでは、セクションやチャンネルは表示されません。これらを構成するには、生成されたLabVIEWプロジェクトに含まれるInitialization VI.viなどの特定のviの編集が必要になります。
    customdeviceselected.png
  6. もしRTターゲット上で動作するカスタムデバイスを作成する場合には、テンプレートから作成したプロジェクト上でRTターゲット下のビルド仕様を使ってビルドする必要があります。


 

 
 

次のステップ

この記事では、VeriStand用にカスタムデバイスを作成するためのLabVIEW側の環境の用意の方法とビルドまでの流れを確認しました。
ここまでの準備が済んだら、後は必要なカスタムデバイスを作成してVeriStandプロジェクトに組み込んでください。