NIベクトル信号トランシーバーを使用しRFパルス信号の電力を測定する

更新しました Sep 5, 2025

環境

その他

  • PXIe-5840
  • PXIe-5841
  • PXIe-5842

本稿ではNIベクトル信号トランシーバー(VST)を使用し、パルス信号の電力を測定する方法を説明します。具体的には添付のLabVIEWプログラムで生成したパルスの電力をNI InstrumentStudioで測定します。

環境セットアップ

  1. LabVIEWをインストール
    1. 特に制限がない場合は最新バージョンをインストールすることを推奨します。
  2. 必要なドライバをインストール
    1. RFSG、RFSAとRFmx SpecAnドライバをインストールします。またLabVIEWおよび各ドライバのバージョンは合わせるようにします。
  3. VSTのRF OutとRF Inを配線
  4. 本稿ではPXIe-5840を使用し、構成図としては以下の通りになります。

詳しい環境セットアップ手順については使用するVSTのユーザーマニュアルを確認してください。

 

パルスの送信設定

  1. LabVIEWを起動
    1. 添付のRFSG Script Trigger - Hardware Source_nij0_LV2019-64.viを開きます。
  2. パルスを生成
    1. 本稿では以下のパルスを生成し、VSTのRF OUTから送信します。
      1. 中心周波数 (Frequency): 2 GHz
      2. 送信電力 (Power Level): 0 dBm
      3. 帯域幅: 150 MHz (IQ Rate=120 MS/sが150 MHzの帯域に相当)
      4. パルス幅 (Length): 1ms
      5. デューティ比 : 0.9 (High Rate = 0.1に相当)
    2. 設定が完了したら実行ボタンをクリックし、パルスの送信を開始します。

 

パルスの受信設定

  1. NI InstrumentStudioを起動する
    1. NI MAXを起動します。
    2. NI MAX上で、使用するVSTを選択し、上方のInstrumentStudioタブを選択しNI InstrumentStudioを起動します。



  2. PAVTモードを開く
    1. 「Measurements」の右にあるAdd/Removeをクリックします。
    2. 表示されるリストからPAVTにチェックをいれます。



  3. 測定するパルスに設定を合わせる
    1. 測定するパルスに周波数(Center Frequency)とリファレンスレベル(Reference Level)を合わせます。



    2. 「Frequency」の右にあるをクリックします。すると、Spectrum Analyzer Settingsという設定画面が表示されます。
    3. PAVTを選択し、「Measurement Bandwidth」を、出力パルスの帯域幅と同じ値、或いはそれ以上に設定します。



  4. トリガを設定する
    1. 同じくSpectrum Analyzer Settingsで Triggerを選択し、「Trigger Type」をIQ Power Edgeに設定します。この設定により入力されたRF信号が「Level」を超えた際にトリガがかかり測定を実施するようになります。
    2. 「Auto Min Quiet Time」のチェックを外し、「Min Quiet Time」に適当*な値を入力します。
      (*Min Quiet Timeは、トリガが発生する前に入力RF信号が「Level」以下の状態で最低限維持されるべき時間を指定するパラメータです。これにより、信号受信中に一時的な電力低下が発生しても、誤ってトリガがかかることを防止できます。本稿では、Min Quiet Timeを 10 µs に設定していますが、パルス幅が 1 ms、デューティ比が 0.9 の場合、LOW状態は 900 µs となります。したがって、Min Quiet Timeはこれより長く設定しても問題はなくトリガ制御が可能になります。)

電力を測定する

以上で測定に必要な基本設定は完了です。 出力電力: 0 dBm、デューティ比: 0.1のパルス信号を測定すると、想定通り平均電力 ~ -10 dBmと表示されるはずです。

 

パルスのHIGH部分の電力を測定

「Measurement Offset」と「Measurement Length」を調整することで、パルスのHIGH部分だけを切り取り、電力を測定することも可能です。  本例ではトリガの100 ns 後から1us の範囲だけを切り取って平均電力を測定しています。結果、想定通り~ 0 dBmが表示されています。