SystemLinkサーバのデータを別のコンピュータに移行する

更新しました Jul 8, 2022

環境

ソフトウェア

  • SystemLink Server

その他

  • Python 3.8

SystemLinkサーバを運用しているコンピュータのバックアップデータを作成する事で破損時の対応や新しいコンピュータにSystemLinkの移行を行う事ができます。例えば、既にSystemLinkサーバを運用しているコンピュータにおいて、バックアップデータを作成し、新たにSystemLinkサーバをインストールしたコンピュータにバックアップから既存のコンピュータの状態を再現する事ができます。ここではバックアップファイルの作成方法、別のコンピュータへのデータ移行方法を確認します。この手順はSystemLink 2021 R1 - R3(Mongoのみで構成されたバージョン)で使用可能です。

Python環境の作成とSystemLink移行ツール(nislmigrate)のインストール

SystemLinkサーバのデータを移行するにはPython 3.8で実行可能なnislmigrateを使用します。nislmigrateはPythonをインストールしてある環境にpipを使用してインストールします。Python 3.8 をダウンロード、インストールを行った後、下記の手順でpipのアップグレードを行います。コマンドプロンプトを管理者権限で起動します。
 
0cmd.png


pipのアップグレードとnislmigrateのインストールは下記のコマンドで行います。
pip install --upgrade pip
pip install nislmigrate
2InstallPIP.png
 
ただしこのコマンドは環境によって変化する場合があります。
 
0PIPupgrade2.png
 

 

バックアップファイルの作成

コマンドプロンプトを管理者権限で起動し、バックアップファイルの作成を行います。下記のコマンドの場合、バックアップファイルがD:\migrationに作成されます。このバックアップファイルはこちらのリンク のSupported Servicesの表に記載されているすべてのサービスのデータを含みます。また、このバックアップを使用する際にパスワードとして「password」が必要となります。バックアップを作成する場合、一時的にSystemLinkサーバは停止するので、この作業を行う際にはSystemLinkの稼働が停止する点に注意してください。
nislmigrate capture --all --secret password --dir D:\migration
3create mig.png


 

バックアップファイルからの復元

SystemLinkを新たにインストールした環境にバックアップファイルを使用してデータの移行を行うには、バックアップファイルを指定したパスに配置し、下記のコマンドを使用します。
nislmigrate restore --all --secret password --dir D:\migration --force
ここではD:\migrationにバックアップファイルを配置し、パスワードとして指定した「password」を入力し、バックアップファイルからの復元を行っています。
 
5mig to new servre.png

バックアップ後に2つのサーバの状態を比較します。例えば下記の2台のコンピュータの場合、ファイルのプロパティ等がそのまま移行されている事が確認できます。
 
migration from 34 to 31.png