計測データにメタ情報をつけてデータを管理・共有する

更新しました Jan 24, 2022

環境

ソフトウェア

  • LabVIEW
  • DIAdem

計測データが作成された際の関連情報は、データの解釈・共有に必要不可欠であり、関連情報が欠落もしくは信頼性の低い管理をされている場合、データそのものが無価値になる場合があります。NIでは計測データが測定された際の条件、環境、設定等の情報をデータに付与する事のできるバイナリ形式のデータフォーマットである*.tdmsを提供しています。*.tdmsデータはLabVIEW, DIAdem, SystemLink, TestStand, FlexLoggerなどのNI製ソフトウェアで使用されます。

ここでは下記のシナリオに対して*.tdmsでデータ作成、管理を行う方法について確認します。東京の拠点において、John Smithが2つのテスト対象デバイス(Device Under Test, DUT)に対してノイズ評価のテストを行いました。ノイズ評価テストによる測定結果は各DUTに対して5つのデータから構成されており、各データは1000点で描写される正弦波です。各テストはベンチ2F1と2F2を使用して行われており、ベンチ2F1はJohn Smith、ベンチ2F2はTaro Yamadaがオペレータとなっています。また各ベンチでテストされたDUTのシリアル番号はそれぞれ2D0001と2D0002です。

この資料の手順はLabVIEW(データ生成), DIAdemもしくはExcel(データの表示)を使用する事で確認できます。

データの作成とプロパティの付与

ここでは計測をシミュレートする為にAttachmentsのTDMSGenerator.viを使用します。
 
1TDMSG1.png


*.tdmsデータはTDMデータモデル に沿って読み取られます。各ファイルにはファイル、チャンネルグループ、チャンネルという3つの階層が存在し、それぞれの階層に任意のプロパティを付与する事ができます。

例えば、この例ではファイルプロパティ(下図赤色部分)としてauthor, datetime, description, Locationを付与しています。ファイルプロパティの1つ下の階層のチャンネルグループとして、DUT1と2に対してグループ1と2を用意し、それぞれのグループに対してOperator, Bench, Serial Number, Errorのグループプロパティ(下図青色部分)を付与しています。またそれぞれのグループには各DUTに対する測定結果を保有するチャンネルデータが5つずつ存在し、それぞれのチャンネルデータにはunit_stringとDevice_Temperatureという2つのチャンネルプロパティ(下図緑色部分)を付与しています。
 
VI.png
 

データの閲覧とプロパティの確認

上記の手順で付与されたプロパティはDIAdemやExcelで確認する事ができます。例えばDIAdemを使用する場合、こちらの記事の手順で*.tdmsファイルを保存しているフォルダを検索領域に追加し、Data Portalにデータをロードすると、下図の様に、ファイル(赤)、グループ(青)、チャンネル(緑)をクリックする事で各階層に付与されたプロパティを確認する事ができます。

properties.png


こちらの記事 の手順にてExcelでも同様にプロパティの内容を確認する事ができます。

次のステップ

付与したプロパティを使用したデータの検索はこちらの記事 の手順で行う事ができます。

DIAdem, LabVIEWでは独自のデータフォーマットのファイルに対してVBScriptで独自に作成したDataPluginを介したデータの読み込みを行う事で、指定した方式で読み込まれたファイル、グループ、チャンネルプロパティを持つデータ読み込みを行う事ができます。その為に必要なDataPluginの作成方法については下記の記事で確認できます。 DIAdemのData Portalに読み込んだデータについて、Analysisの機能を使用する事でデータ解析を行う事ができます。FFTやトレンド除去については下記の記事で確認できます。

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