解決策
この減衰信号は Integrated Electronics Piezo Electric(IEPE)励起が、初めて有効になった際にDSAデバイスで観察される波形で、想定された挙動です。大部分のNI製DSAデバイスのIEPE励起はデフォルトで無効に設定されています。これらのデバイスでは電源投入後、初めてタスクを実行する際にIEPE励起が有効になります。定電流励起であるIEPE励起は、センサーの両端の電圧降下(8〜10 V)により、DCオフセットを発生させます。 センサーのバイアス電圧とも呼ばれる、このDCオフセットを除去するため、DSAデバイスはIEPE励起を有効に設定する際に、ACカプリング(フィルタ回路)を有効にします。指数関数的減衰は、IEPE励起が最初に有効になった際、ACカプリングがオフセットを除去している最中の電圧を測定しているものです。
注:センサーの整定時間がDSAデバイスのACカプリングの整定時間を超える場合があります。その場合、センサーの整定時間が制限要因になります。
IEPE励起はNI-DAQmxタスクで、またはMAXテストパネルで有効にできます。このプロセスの詳細については、以下の「関連リンク」セクションを参照してください。
IEPE励起を有効後、データを取得する前にセンサーとACカプリングが整定するまで十分な待機時間を設けることで、減衰信号の回避できます。コミュニティサンプルである
NICommunity:Initialize IEPE Excitation on All DSA Devices で利用可能な開発VIとともに実行可能ファイルがあります。実行ファイルを予め実行し、IEPE励起を自動的に有効にすることで、実際のデータ収集プログラム実行時には整定時間を設ける必要がなくなります。このサンプルでは、使用可能なすべてのデバイスに対して、最初のゼロ以外のIEPE電流励起を有効にするように記述されています。例えばWindows OS上でスタートアップアプリケーションに登録することで、システムの電源がオンになると同時にこの実行ファイルを実行するように構成することもできます。