DIAdemで出力(kW)と回転数(RPM)からトルク(Nm)を計算してプロットを行う方法

更新しました Apr 19, 2023

環境

ソフトウェア

  • DIAdem

DIAdemのData Portalにロードしたデータに対し、様々な解析を行い、結果の保存、グラフ表示を行う方法について、出力値(kW), 回転数(RPM)からトルク(Nm)を算出する事例を用いて手順を確認します。ここではDIAdemを起動した際に自動的にロードされているEXAMPLEデータを使用します。EXAMPLEデータにはPower (kW), RPM (1/min)及びTorque(Nm)が既に存在している為、この資料ではPowerとRPMから算出した結果がTorqueと一致する事を確認します。
 
01Example.png

この資料は下記の内容から構成されています。:

  1. DIAdem ANALYSIS関数を使用したマニュアル操作によるトルクの計算とグラフ表示
  2. DIAdem SCRIPTによるトルクの計算とグラフ表示


 
  1. DIAdem ANALYSIS関数を使用したマニュアル操作によるトルクの計算とグラフ表示

    1. カリキュレーターの起動
      チャンネルデータを使用した簡単な計算はカリキュレーターを使用して行います。カリキュレータはDIAdem ANALYSIS基本 >> カリキュレーターで開く事ができます。
       

      02Calcu.png
       

    2. カリキュレーターにおける数式の設定
      PowerとRPMからTorqueを計算する数式を記入します。PowerとRPMのデータはData Portalからドラッグ&ドロップする事で下記の様に設定できます。また、計算結果を格納するチャンネルを指定します。今回はch("[1]/Torque2")としているのでData Portalの1つ目のグループ(Example)にTorque2というチャンネルを作成し、計算結果を格納する挙動になります。下記の数式を設定した後、カリキュレーターのエンターボタンを押すと、計算が実行されます。

      03math.png
       

    3. 計算結果をDIAdem VIEWでグラフ表示
      カリキュレーターで計算したTorque2ともともと存在するTorqueのデータをグラフ表示し、比較する場合、DIAdem VIEWを開き、2D軸システムの領域を右クリックし、すべてのカーブを削除を行った後、TorqueとToruque2のデータをData Portalからドラッグ&ドロップします。下記の様にグラフの描写設定を変更するとTorqueとTorque2がよく一致している事を確認できます。
       

      04plot.png

  1. DIAdem SCRIPTによるトルクの計算とグラフ表示

    1. DIAdem SCRIPT
      DIAdemではマニュアル操作により行った解析内容をスクリプトで行う事ができます。マニュアル操作で行った解析内容をスクリプト化する方法についてはこちらの記事で確認できます。今回、カリキュレーターで行った計算及びグラフ表示をVBScriptで行う場合、下記のスクリプトとなります。DIAdem SCRIPTから新規のVBScriptを作成し、下記のスクリプトを張り付け、実行すると、Torque2という新規のチャンネルが作成され、結果がグラフで表示されます。
       

      Option Explicit
      'PowerとRPMからトルクを計算し、Torque2としてData Portalに新しいチャンネルを作成
      Call Calculate("ch(""[1]/Torque2"")=9549*ch(""[1]/Power"")/ch(""[1]/RPM"")")
      
      'DIAdem VIEWに2D軸システムの表示領域を作成
      Dim oSheet, oDisplayObj
      Call View.NewLayout()
      Set oSheet = View.ActiveSheet   
      oSheet.Name = "MySheet1"
      View.Sheets("MySheet1").Areas("Area : 1").DisplayObjType = "CurveChart2D"
      Set oDisplayObj = View.Sheets("MySheet1").Areas("Area : 1").DisplayObj
      
      'DIAdem VIEWの2D軸システムにTorqueとTorque2のデータを表示
      Dim oChnX, oChnY, o2DCurve
      Set oChnX = Data.Root.ChannelGroups(1).Channels("Time")
      Set oChnY = Data.Root.ChannelGroups(1).Channels("Torque")
      Set o2DCurve = oDisplayObj.Curves2D.Add(oChnX.GetReference(eRefTypeIndexName),oChnY.GetReference(eRefTypeIndexName))
      Set oChnY = Data.Root.ChannelGroups(1).Channels("Torque2")
      Set o2DCurve = oDisplayObj.Curves2D.Add(oChnX.GetReference(eRefTypeIndexName),oChnY.GetReference(eRefTypeIndexName))
      o2DCurve.MarkerType                 = "circle"
      o2DCurve.MarkerColor                = "dark green"
      o2DCurve.MarkerColorAuto            = false
      o2DCurve.MarkerSize                 = 2
      o2DCurve.Color = ""
      
      'DIAdem VIEWを表示
      View.AutoRefresh = True: Call View.Refresh()
      Call WndShow("VIEW")

       

    2. スクリプトの実行とグラフ表示
      前述のスクリプトを下記の様にDIAdem SCRIPTから実行すると、Data PortalにTorque2というチャンネルが作成され、Torque(赤色実線)とTorque2(緑色丸印)のデータがDIAdem VIEWにプロットされます。
       

      05graph.png