解決策
PCIe-8381とPXIe-8381を専用のケーブルで接続し、PXIeシャーシの電源投入後、PCの電源を投入した際にPXIe-8381のLEDがオレンジ色の場合、電源に問題はないもののシャーシとのリンクが確立していない状態です。
以前は正常に動作していたにもかかわらずこの状況になる場合、PC側のソフトウェア、OS、セキュリティソフトに問題がない場合はハードウェア的な問題(接続不良、故障)の可能性が考えられます。正常に動作するPCや製品を保有している場合は破損している可能性のある部分を取り換えて動作確認を行います。
初回セットアップ時にこの問題が発生している場合は下記の手順でトラブルシューティングを行います。
目次
- OS、BIOS、セキュリティソフトのアップデート
- PXI Platform Service
- 電源の投入順序
- サービスの稼働状況の確認
- デバイスマネージャの情報
- PCI/PCIeルートバスデバイスの数と範囲を確認する
- NI MAXレポートの作成と技術サポートへの連絡
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OS、BIOS、セキュリティソフトのアップデート
使用しているPCのWindows Update、メーカーのBiOSアップデート、セキュリティソフトのアップデート等が存在している場合、まずはそれらを最新の状態までアップデートする必要があります。新規にセットアップを行っているWindows 10PCの場合、Windows Updateを複数回行う必要がある場合があります。これらのアップデートはPCIバス経由の通信に影響を及ぼすものが存在する為、NI製ソフトウェアのインストール等を行う前に完了しておく必要があります。
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PXI Platform Service
PXIe-8381を使用する場合、PXI Platform ServiceというドライバをPCにインストールする必要があります。Windows 10 OSの場合、このリンクで確認できる通り、バージョン15.0もしくはそれ以降が必要です。PXI Platform Serviceはこのリンク からダウンロード、インストールする事ができます。
また、PXIeシステムにPXIe-8381以外のボードを取り付けている場合、それらについても必要なドライバをインストールする必要があります。ただし、PXIe-8381以外のボードによる通信の問題の可能性を排除する為、初回の動作確認を行う際はPXIe-8381以外のボードは取り外し、下記の手順を試すことが推奨されています。
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電源の投入順序
PXIe-8381が挿入されているPXIeシステムの電源を投入後、1分程度待機後、PC側の電源を投入します。PXIeシステムにUSRP等が搭載されている場合、PXIeシステムの電源投入後、4,5分待機する必要がある場合があります。
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サービスの稼働状況の確認
Windows OS環境でMXIを行うのに必要なサービスが稼働しているかどうかを確認します。スタートメニュー>>Windows 管理ツール>>サービスにおいて下記2点がAutomaticに設定されており、実行中かどうかを確認します。
NI PXI Chassis Management Service
NI PXI Resource Manager
これらのサービスはMXIによるPXIeシステムの認識に必要となります。これらのサービスの稼働状況は後述するNI MAX 技術サポートレポートのni_services.txtでも確認できます。
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デバイスマネージャの情報
Windows OSレベルでハードウェアが認識されているかを確認します。WindowsのDevice Managerを開き、PXIe-8381やシャーシが認識されているかを確認します。こちらの資料 の「症状2:MAXがPXIまたはMXIハードウェアを検出、認識、または接続できない」の様にNational Instruments SMBus Controllerとして認識されている場合、プロパティを開き、エラーが出ていないかを確認します。Error 10、Error 31、Error 12などが発生する場合がありますが、それぞれについてこちらの資料 の「症状4:デバイスマネージャでエラーが発生する」の対応が必要です。正常に認識されていない場合、PCIe-8381をPCの別のPCIバスに取り付けて動作確認を行います。
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PCI/PCIeルートバスデバイスの数と範囲を確認する
使用されているPCのPCIバスがMXIに完全な互換性があるかどうかをこちらの資料の手順で確認します。ここでBus Number Range: [0, ff]以外となっている場合、使用しているPCは完全なMXI互換性ではない事が確認できます。その場合、MXI-Express BIOS Compatibility Software を使用する事で互換性問題を解消できる場合があります。このソフトウェアのハードウェアとの互換性についてはこちらの資料 で確認できます。うまく動作しない場合、PCIe-8381をPCの別のPCIバスに取り付けて動作確認を行います。ただし、一部のPCではハードウェア互換性的にこのソフトウェアを使用した場合でもMXIができない場合があります。
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NI MAXレポートの作成と技術サポートへの連絡
上記の手順でもうまく動作しない場合、こちらの手順 にて技術サポートレポートを作成し、保守契約に含まれる技術サポートに送信する事でより詳細なトラブルシューティングを行う事ができます。技術サポートを受けるために必要なSSPの有無はこちらの手順 で確認できます。
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