DIAdem Analysisでピークの検出を行う

更新しました Apr 22, 2021

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  • DIAdem

ピーク検出とピークの幅、強度の評価は測定内容、S/N比の影響を強く受ける為、工夫が必要な場合が多いです。DIAdem Analysisにはピーク検索、ピークの計算の2つの関数が備えられており、ピークの検出、強度と位置の出力はこれらの関数で行う事ができます。また、ピークの幅の評価は多くの場合、ガウス曲線フィッティングを用いて行われることが多いです。しかし、これらの方法だけでは評価しきれない信号も多数存在します。ここでは沢山のピークを持つ信号に対してピークの検出、評価方法を行う際の対処方法を確認します。

サンプルデータのロードと描写

1. データのロード
DIAdemを起動し、とデフォルト設定でData Portalにロードされるデータを内部データを削除で削除します。次に、AttachmentsのSample13.csvをダウンロードし、DIAdem Navigatorでロードします。データをロードする際はSample13.csvを右クリックし、ローダーで開くを選択し、Textfile - Auto Detectを選択します。
 
0OpenData.png

Sample13.csvをData PortalにロードするとX軸データを格納しているCh0とY軸データを格納しているCh1が表示されます。
 
2data.png


2. 数値チャンネルをXYチャンネルに変換する
X軸データとY軸データを紐づける事でこれらのデータをグラフ表示する事ができるので、チャンネル関数数値チャンネル<->XYチャンネルを使用し、Ch1にCh0のX軸データを紐づけてXYチャンネルに変換します。
 
2CreateXY.png

上記の変換後、Data PortalでCh1を確認すると数値チャンネル(123)の表示がXYチャンネル(xy)の表示に変化したことが確認できます。
 
3XYC.png


3. DIAdem VIEWでデータを表示する
このデータをDIAdem VIEWで表示します。DIAdem VIEWでCh1を表示するとX軸にCh0、Y軸にCh1のデータが表示されている事が確認できます。
 
4view.png


 

ピークの検出

DIAdem Analysisにおけるピークの検索方法はチャンネル関数ピーク検索もしくはピークの計算を使用して行います。また、各ピークの評価時にイベント検索も使用される場合もあります。ここではこれら3つの関数について使用方法と挙動を確認します。
 
5CalPeak.png


1. ピーク検索
ピーク検索では解析対象、解析条件、検出されたピークの順序、検出するピークの数を指定する事ができます。ピーク検索を実行するとピークのX軸情報を持つPeakXとY軸情報を持つPeakYが出力されます。
 
5peakdetect.png

計算結果をDIAdem VIEWで表示し、元のデータと比較する場合、下記の様にピークのデータのライン表示を無色とし、マーカー表示のみを有効にすることでデータの比較が行いやすくなります。
 
6ChangeView.png


2. ピークの計算
ピークの計算では検索対象をピークもしくはバレーから選択し、設定した間隔幅ごとに最小二乗法による評価を行い、ピークを検出します。検出されたピークのX軸情報がPosition、Y軸情報がAmplitudeとして出力されます。
 
7PeakCal.png

ピークを計算の結果を先のデータと比較すると下記の様になります。ピーク検索(緑色の×)は実測データ上に存在しているのに対し、最小二乗法によるフィッティングを行うピークを計算の結果(青色の〇)は実測値とは外れている部分があります。
 
8peak.png


3. イベント検索
ピークの検出の2つの関数とイベント検索を組み合わせることで簡易なピーク幅の確認を行う事ができます。イベント検索では各データポイントに対して特定の条件を満たす場合は条件該当の値を出力し、条件を満たさない場合は条件該当しないで設定した値を出力します。下記の例ではCh1の信号に対して、下限と上限で設定した「0-2に収まっている」という条件のNOT条件を使用している為、0より小さいもしくは2より大きい場合に条件該当となります。今回使用しているデータの場合、その為、結果データを確認すると2より大きい部分では-1が出力されており、それ以外の部分は0となっています。
 
9event.png

上記の計算結果をXYチャンネルに変換し、他のデータと比較すると下記の様になります。オレンジ色のデータが-1となっている時、赤色の信号は2以上となっている事がわかります。各ピークに対してイベント検索の結果を参照する事で、ピーク幅を確認する事ができます。ただし、これはピークが十分なサンプリングレートで描写されている場合にのみ有効な方法であり、サンプリングレートが低く、ピークの描写が3,4点で行われている場合は各ピーク幅の差を確認する事はできません。
 
10com.png

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