DIAdemのガウシアンフィッティングでピークの振幅・スペクトル幅を評価する

更新しました Apr 14, 2021

環境

ソフトウェア

  • DIAdem

計測データの解析において、ピークの幅と振幅の評価は多くのプログラミング言語において、適切な方法を自作しなけらばならないという問題があります。そのような場合、よく使用される方法の一つにガウシアンフィッティングを使用した評価方法があります。ここでは計測データからピークの信号を切り出し、ガウシアンフィッティングによりピークの振幅、幅を評価する方法を確認します。

サンプルデータをDIAdem Data Portalにロードし、VIEWでグラフ表示する

1. CSVファイルをDIAdemにロード
下記のAttachmentsのSampleDataGaussianFit.csvをダウンロードし、DIAdemにロードします。デフォルト設定のDIAdemでは起動時にサンプルデータがData Portalにロードされているので、内部データを削除からこのデータを削除します。SampleDataGaussianFit.csvをDIAdem Navigator上で右クリックし、ローダーで開くを選択します。計測データを指定した形式でDIAdemにロードするにはDataPluginを使用する必要があります。ここでは自動的に形式を解析し、データをロードするTextfile - Auto detectのDataPluginを使用します。
 
1load.png

2. XYデータの作成
SampleDataGaussianFit.csvをDIAdemのData Portalにロードすると、X軸データが格納されているCh0とY軸データが格納されているCh1が表示されます。この2つのデータを使用してグラフ描写を行うために、XYデータの作成を行います。XYチャンネルの作成はDIAdem Analysisのチャンネル関数数値<->XYチャンネルで行う事ができます。
 
2xydata.png

3. XYチャンネルのグラフ描写
DIAdem VIEWを開き、XYチャンネルに変換したCh1をドラッグ&ドロップすると、下記の様にグラフ描写する事ができます。ここでX軸がCh0のデータとなっている事を確認できます。
 
3DIAdemVIEW.png


 

データの確認と解析を行う部分のデータを切り出す

1. データの確認と解析に使用するデータのコピー
バンドカーソルを使用してガウシアンフィッティングを行うピークを選択します。下記の様に解析対象のピークが含まれている状態でフラグを設定を行うと、この部分のデータが選択されます。
 
4frag.png

2. データのコピー
解析対象のデータにフラグを設定した後、フラグ: データポイントをコピーを選択する事でこの部分のデータがData Portalにコピーされます。コピーされたCopyYch1を前述の「2. XYデータの作成」の方法でXYデータに変換します。
 
5Copy.png


 

ガウシアンフィッティング

1. ガウシアンフィッティング
DIAdem Analysisのカーブフィッティングの項目からガウス曲線フィッティングを選択します。先ほどコピーしたデータを使用し、セットアップ関数において初期値とフィッティングの際の許容差を設定します。また、変換結果結果をクリップボードに転送を行うと、解析結果の各係数の値がクリップボードに転送されます。
 
5gaussanfit.png

2. 結果を表示と各係数の確認
解析結果をDIAdem VIEWに表示するにはまず新規の領域を作成し、新たな2Dシステムを作成します。
 
6newplot.png

新たに作成した領域に元の信号(赤線)と解析結果によって得られたガウシアン曲線(緑線)を表示します。ガウシアン関数の各係数は解析結果のデータのプロパティもしくはクリップボードのデータをテキストに張り付ける事で確認できます。
 
7check result.png

3. ガウス曲線フィッティングの各係数とピークの幅
今回使用したガウス曲線フィッティングの詳細についてはDIAdemヘルプの下記の項目に記述されています。ガウス曲線の関数は多くの学問分野において頻繁に使用されており、今回のフィッティングで得られた標準偏差(standard deviation, SD)でピーク幅を評価する場合が多いです。ただし、標準偏差はFWHM(Full Width at Half Maximum, 半値幅)とは異なる点に注意が必要です。
 
8more.png

次のステップ

ガウス曲線フィッティングはベースラインの状態の影響を受けやすい為、こちらの資料の手順 にてベースラインの除去が必要な場合があります。

複数のピークに対してガウス曲線により振幅、位置、幅の情報を解析し、結果からヒストグラムを作成する場合はこちらの手順 を使用する必要があります。