NI Linux RTターゲットを工場出荷時のデフォルト設定に戻す

更新しました Oct 24, 2024

環境

ハードウェア

  • CompactRIO Controller
  • myRIO-1900
  • myRIO-1950
  • CompactRIO Single-Board Controller

ソフトウェア

  • LabVIEW Real-Time Module

この記事では、NI Linux Real-Time デバイスを工場出荷時のデフォルト設定に戻す方法を説明します。これは以下の理由で必要になる場合があります:

  • ターゲットのパスワードをリセットする。
  • Linux x64ベースのCompactRIO(cRIO)、sbRIO、PXI Real-Timeコントローラ、スタンドアロンUSRPコントローラ、またはその他のリアルタイムターゲットを工場出荷時のデフォルトに戻す。
  • ディスクをフォーマットしてソフトウェアを再インストールする
復元方法はターゲットのオペレーティングシステムによって異なります。各リアルタイムターゲットがどのオペレーティングシステムで動作しているかは、アーカイブ済み:リアルタイムコントローラとリアルタイムオペレーティングシステムの互換性を参照してください。
 

この記事はNI Linux Real-Time Targets(Intel x64ベースのターゲット)を対象としています。その他のデバイスの場合は下記を参照してください:

RTターゲットを工場出荷時の設定に戻す前に、以下の点にご注意ください:
ディスクをフォーマットすると、コントローラのすべてのプログラムと構成データが失われます。コントローラから必要なファイルのバックアップコピーを取り、IP構成をメモしておいてください。ドライバやランタイムファイルは、フォーマット後に再インストールされるため、バックアップする必要はありません。

この記事には以下の項目があります:

  1. 要件
  2. 方法1:モニターとキーボードを使用してNI Linux Real-Timeターゲットを復旧する
  3. 方法2:モニターとキーボードなしでNI Linux Real-Timeターゲットを復旧する

 

要件

コントローラ復旧には以下のツールが必要です:

  • FAT16 または FAT32 の USB ドライブ で最初のパーティションが FAT のもの
メモ: 一部のシステムは 8 GB より大きい USB ドライブを認識できません。可能であれば 8 GB より容量の小さい USB ドライブを用意してください。
  • BIOS 画面およびフォーマット手順を表示するためのモニタとディスプレイケーブル
  • Mini DisplayPort 変換アダプタ (モニタに DisplayPort 入力がない場合)
  • USB キーボード

メモ: 上記機材 (BIOSを表示するためのモニタと Mini DisplayPort アダプタ) が用意できない場合、またはモニタ接続ができない NI Linux Real-Time ターゲット (cRIO-905x など) を使用している場合、方法2:モニターとキーボードなしでNI Linux Real-Timeターゲットを復旧する をお試しください。この方法の場合、FAT16 または FAT32 の USB ドライブのみ必要です。

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方法1:モニターとキーボードを使用してNI Linux Real-Timeターゲットを復旧する

モニターとキーボードを使用してNI Linux Real-Timeターゲットを復旧するためには、リセット USB を NI Measurement and Automation Explorer (MAX) から作成します。

NI MAX から USB リカバリユーティリティを作成する:

  1. LabVIEW と LabVIEW Real-Time モジュールをインストールします
  2. コンピュータ に USB ドライブを挿入します
  3. NI MAX を立ち上げます
  4. ツール >> NI Linux RT リカバリ USB ドライブを作成する を選択します
  5. ドライブ で USB ドライブを選択します
  6. ディスクイメージを選択します
  7. フォーマットをクリックします
  8. フォーマット完了後 USB ドライブをコンピュータから抜き取ります
  9. Linux RT コントローラのリセットが完了したら、[外部リンク] Rufusなどのツールを使用することで、USB ドライブが Windows で再度認識できるようになります。

キーボードとモニタが使用できる NI Linux Real-Time ターゲット

  1. ターゲットの電源が投入されていることを確認します
  2. USB ドライブ、キーボード、モニタをターゲットに接続します
  3. ターゲットをリセットします (RESET ボタンを5秒おしてセーフモードに起動させる操作は行わないでください
  4. キーボードの Delete または F10 キー をターゲットの起動中に押して BIOS 画面に入ります
  5. BIOS の Boot タブに移動し、UEFI USB ドライブが first boot option に指定されていることを確認します
    • メモ: 上記設定が正しく行われているとを確認してください。UEFI USB ドライブに正しく設定されていない場合フォーマットが失敗します。

Screenshot_2.png

  1. Save & Exit タブに移動し、Save Changes and Reset を選択します。ターゲットが再起動するとフォーマットが開始されます
  2. NI Real-Time リカバリ USB ドライブからリカバリツールが起動します
    • 続けるとターゲットのパーティション、フォーマットとセーフモードのインストールが行われます
  3. y を入力し Enter を押して、パーティションと新しいセーフモードのインストールを開始します
  4. インストールが完了すると、Safe mode was successfully installed. メッセージがコンソールに表示されます
  5. 次に、Remove the Recovery USB key が表示されます
  6. USB ドライブを抜いてから、ターゲットを再起動してください
  7. ターゲットはセーフモードで起動します。NI MAX ではステータスが セーフモード (ソフトウェアがインストールされていません) になります。必要に応じてターゲットにソフトウェアのインストールならびにパスワードの設定を行うことが可能です
  8. USB ドライブを Windows で使用できるようにリカバリするためには、[外部リンク] Rufus または類似ソフトウェアを使用し、 USB ドライブが Windows で再度認識できるように設定します。Rufusを使用する場合、Boot selectionNon-bootable オプションを使用します
            Screenshot_3.png

方法2:モニターとキーボードなしでNI Linux Real-Timeターゲットを復旧する

モニターとキーボードなしでNI Linux Real-Timeターゲットを復旧する場合、「リセット USB」を この記事に添付されている NIRECOVERY.zip から作成することができます。

リセット USB を NIRECOVERY.zip から作成する

以下の手順で NIRECOVERY.zip (添付項) からコントローラのパスワードをリセットさせることのできる USB ドライブを作成します。このドライブはターゲットをフォーマットし、セーフモードを再インストールします:

  1. NIRECOVERY.zip を USB ドライブに解凍します
  2. USB ドライブの名前を NIRECOVERY に変更します
Screenshot_1.png
 

モニターとキーボードのないNI Linux Real-Timeターゲット

  1. ターゲットの電源が投入されていることを確認します
  2. USB ドライブをターゲットに挿入します
  3. POWER ボタンを押してコントローラの電源を切ります。電源ボタンが存在しない場合、電源プラグを抜いて電源を切ってください
  4. RESET ボタンを長押しします (ステップ 5 まで押し続けます)
  5. POWER ボタンを押して離します。電源ボタンが存在しない場合、電源プラグを接続してコントローラの電源を投入してください (RESET ボタンは電源投入中押し続けてください)
  6. RESET ボタンを押しながら 5 秒待機します
  7. 約 5 秒後に Status LED が点灯したら RESET ボタンを離します
  8. インストールが完了すると、Safe mode was successfully installed メッセージがコンソールに表示されます。コントローラにモニタが接続されていない場合は、次のステップに移行するまで数分程度待ちます
  9. 次に、Remove the Recovery USB key がコンソールに表示されます。
  10. USB ドライブを抜いてから、ターゲットを再起動してください
  11. ターゲットはセーフモードで起動します。NI MAX ではステータスが セーフモード (ソフトウェアがインストールされていません) になります。必要に応じてターゲットにソフトウェアのインストールならびにパスワードの設定を行うことが可能です

Intel ARM ベースターゲット

ARM ベースの NI Linux Real-Time ターゲットのパスワードをリセットする必要がある場合、技術サポートまでご連絡ください。弊社テクニカルサポートエンジニアに連絡する場合は、NI 技術サポートでサポートリクエストを作成してください。